看護師が復職を目指すときに、夜勤のない外来を検討している方も多いことでしょう。
看護師復職したくて外来のお仕事に興味があるけど、ブランクが長くて心配…
私もブランク11年からの復職場所が一般病院(110床くらい)の外来だったんです。それも看護師経験浅く、ほぼ『0』からのスタートでした。
外来看護師は楽に働けるというイメージで就職すると「想像とは違っていた!」と感じるかもしれません。
外来では、幅広い年齢層の方や様々な疾患をもつ患者さんに対応する必要があります。
そのため外来看護師は柔軟性や迅速な判断対応が求められ、忙しくもやりがいのある場所といえます。
自分のペースではなく、周囲の忙しさに合わせて動く必要があり、ほとんどの看護師は病棟とは違う流れに戸惑うことが多いです。
ましてやブランクのある看護師にとっては大変なのは当然…
徐々に仕事に慣れ、周りが見えてくるようになれば外来のお仕事は働きやすい場所だといえます。
この記事では、看護師復職の第一歩を外来で検討している方に向けて、ブランク11年から外来看護師として復職した私から実践的なアドバイスをさせて頂きます。
ぜひ最後まで読んで少しでも参考にしていただけたら嬉しいです。
外来とは入院せず診察や治療を受けるところ
入院することなく病気やけがなどで診療や治療を受ける医療機関のことを指します。また一般的に外来で働く看護師を外来看護師とよんでいます。
病院に訪れた患者さんは最初の窓口で受付を済ませ、希望される科で診察及び検査や処置を行います。終わったら会計を済ませ、薬が処方された場合は処方箋を受け取り、薬局で薬を受け取り帰る流れとなります。
外来受診後に、病状によっては即日入院となるケースもあり、その対応も外来看護師がサポートします。
外来の種類
病床数19床以下の医療施設になります。
患者さんにとっては最も身近な存在となり、常連の方も多く地域に密着した医療機関になります。少人数で運営しているため、比較的即戦力を求められる傾向にあります。
診療科にもよりますが、ブランクのある看護師にとっては少しハードルが高いかもしれません。
外来
病床数が20床以上の地域医療を担った病院になります。
大学病院ほど診療科が分かれていないので、看護師は幅広く知識やスキルが身に付く機会が得られます。
クリニックに比べると、看護師の人数が多いため、困ったことがあると他のスタッフに応援を求めやすい環境にあり、ブランクのある看護師には大変おすすめです。
大学病院は診療のみでなく、最新の高度医療を提供することができる病院です。そのため、様々な疾患を持つ患者さんが多く、小規模の病院では対応できない検査や治療が受けられるため、外来の規模も大きく専門分野に分かれていることが多いです。そのため特定の診療科に特化した看護業務に従事することになります。
臨床をある程度経験し、即戦力で働くことが求められます。ブランクのある看護師にとってはハードルが高い傾向にあります。
救急指定病院とは
救急病院等を定める省令に基づき、都道府県知事が告示し指定する病院です。
《一次救急》
入院、手術を伴わない医療。
休日夜間救急センターなどによって行われている。
《二次救急》
入院や手術を必要とする救急医療です。
救急指定病院が共同利用型病院方式や病院群輪番制などの方法で対応する点が特徴です。
《三次救急》
三次救急では二次救急で対応しきれない重篤患者を受け入れ、高度な救命救急を提供します。
外来看護師のお仕事内容
診察の準備・介助
- 医師の診察がスムーズに実施されるよう、前もって診察室の準備や予約状況を確認します。
- 医師の指示のもと、バイタル測定や処置などの補助を行います。
- 高齢者の場合、1日で内科と整形外科など2か所以上の診療科を利用される方も多く他科と連携をとりながらスムーズに診察が受けられるよう配慮していきます。
採血・注射
- 検査のため採血を行うことが多いです。
- 注射や外来で点滴を実施する場合もあります。
- 予防接種は看護師が実施する医療機関もあるため、問診表と合わせて実施その後のフォローも行います。
処置や検査のサポート
- 検査の予約が入った場合も検査室と連携をとりながら、患者さんがスムーズに検査を受けられるようサポートしていきます。
心電図、レントゲン、エコーなど… - 内視鏡では、医師との連携が重要です。
患者さんへの指導
- 診察を受けた患者さんが、医師の治療方針をしっかり理解し、服薬や食事制限などができるよう看護師から指導を行います。
- 検査を予約された方にも、必要事項説明していく必要があります。
- 医師からの説明を十分に理解していないこともあるため、看護師から改めて疑問点がないか確認する必要があります。
病棟や他部署との連携
- 診察後に検査を必要とすることもあり、検査室や放射線科と連携をとる必要があります。
- 即日、入院となることもあり病棟とも連絡を取りベッドの空き状況も確認していきます。
事務作業
- 診察の受付やカルテの記入など。
- 電子カルテを導入しているところが多く、パソコンのスキルも必要となります。
外来看護師1日のスケジュール(例)
【8:00】 | 待合室や各診療室の環境整備や必要物品の準備 |
【8:30】 | 朝礼、本日の予定 |
【9:00】 | 外来業務の開始 受付や患者の案内 診察の介助、採血、注射、その他処置や検査の補助など |
【13:00】 | 休 憩 |
【14:00】 | 午後の外来開始 |
【17:00】 | 待合室の片付け、環境整備、翌日の準備 |
【17:30】 | 退 勤 |
一般病院では、地域医療を担っており診療科が内科・外科・整形・泌尿器科…などに分かれており、それぞれの業務を看護師は交代で担当していきます。
外来は生活習慣病や慢性疾患、感染症、外傷、検査、健康診断など様々な患者に対応していきます。
外来看護師は、患者が診察や検査をスムーズに受けられるようサポートすることが重要です。
外来看護師の大変なところ
外来看護師の仕事として私の経験から以下の大変だったところを挙げたいと思います。デメリットではなく、仕事に慣れればスムーズにこなせるようになり仕事のやりがいにも繋がります。
医師のサポート
外来看護師は医師との連携が重要になっていきます。そこで診察、処置、検査などの際、医師が次に何をするか状況判断をしながら円滑にすすめなくてはいけません。
医師によっては気難しい場合もあるので、外来看護師としては大変なところではあります。
他科との連携
外来での診察後、即日入院となることもあります。
精密検査や手術が必要になる場合は、オペ室との連携と検査の予約、ベッドの空き状況も確認するため病棟との連携も重要となっていきます。
入院時検査(採血・レントゲンなど…)を終えたら、患者さんと共に病棟にあがり申し送りを行います。
処置室や検査室のサポート
病院にもよりますが、外来業務に少し慣れてくると処置室や検査のサポート、内視鏡の介助など様々な業務を担当することになります。
検査も同時進行することもあり、内視鏡とエコーの検査など掛け持ちで動かなければいけない場合もあります。
外来看護師の給料
・外来看護師の年収の相場
➡360~450万円
・パートで働く場合
時給の相場
➡1800~2300円
外来看護師のお給料は、夜勤と残業がほとんどないため病棟看護師と比べると低めになります。
ブランク看護師が外来で働くメリット、デメリット
メリット
- 日曜日、祭日がお休み
- 残業がほとんどない
- 生活リズムを乱さないで働ける
- 体力的な負担が少ない
デメリット
- 連休が取りづらい
- 夜勤がないため病棟看護師とくらべると給料が低い
- 午前中に忙しさが集中する
患者さんからのクレームに関しては、ほとんど医事課の受付が対応していきます。もちろん看護師が対応することもありますが。
まとめ
外来看護師の役割として、患者さんの長い待ち時間解消のため、出来るだけ時間短縮に努めスムーズに診察を終えてもらうかが重要となっていきます。
1日にたくさんの患者さんに対応していくことや業務も覚えることが沢山あり、外来看護師はテキパキとスピード感をもった仕事が求められます。
最初は大変に感じるかと思いますが、慣れてくると次第に仕事をこなせるようになります。
外来看護師は、多様な患者さんと接点を持ちながら医療の最前線で活躍するやりがいのあるお仕事です。
私が過去にブランク11年を経て、看護師復職の場所が外来だったこともありおすすめする場所の一つとなります。
身体的な負担が少ないことと、ワークライフバランスがとりやすくブランクのある看護師には最適な場所といえます。