ブランクのある看護師が、働きやすい職場としてデイサービスを検討する方も多いでしょう。
でも、デイサービスの仕事内容をよく知らない… デイサービスの仕事が果たしてブランクのある看護師に適しているのかも分からない…。
この記事では、ブランクのある看護師に知っていただきたいデイサービスで働く看護師のお仕事内容、メリット・デメリットも踏まえて詳し解説していきたいと思います。
ぜひ最後までこの記事を読んで参考にしていただければ嬉しいです。
デイサービスとは
デイサービスとは、日中に介護サービスを提供してくれる施設を指します。
他の利用者さんと交流することで、社会的な孤立感の解消や認知症の予防を測ることが目的されています。
医療法人や介護施設をもっている法人が運営しているところが多いですが、デイサービス単独で運営しているところもあります。
デイサービスにおける４つのサービス
専用車両で利用者さんをお迎えし、食事や入浴など日常生活の様々な支援、身体機能維持向上を目的とした機能訓練やレクリエーションといったサービスを受けることができます。
デイサービスでは、主に以下の4つのサービスを提供していきます。
①入浴
利用者さんの自立度に合わせて入浴サービスを行います。自立度が低い利用者さんには、職員がサポートしながら機械浴を行っていきます。
②食事
昼食やおやつを提供していきます。
高齢者に合わせて、栄養バランスのとれた食事で健康維持をサポートしていきます。
③機能訓練
日常生活動作の維持改善を目的とした歩行訓練、関節可動域訓練、口腔体操などを集団で行ったり、個人に合わせてプログラムを提供することもあります。
④レクリエーション
ゲーム・体操・脳トレ・将棋・囲碁・麻雀・カラオケなどデイサービスでは、その施設によって様々な内容のレクリエーションを提供していきます。
ゲームや趣味、娯楽を併せ持った内容により、楽しみと同時に機能訓練を兼ねていきます。
デイサービス看護師の仕事内容
利用者さんの健康管理
- 利用者さんの健康状態を把握するためバイタル測定を実施し、体調なども含めて記録を行います。
- 看護師は感染症が流行する時期には、予防策や感染対策を身に着ける必要があります。
- デイサービスでは、日中の大半を集団で過ごすため、インフルエンザ・コロナ・ノロウィルスなど流行性疾患を予防することも大切です。高齢者は重篤になる可能性もあるため、感染予防には十分注意を払います。一人でも感染兆候がある場合は、早めに医療機関に受診する必要がありますが、その判断を看護師に委ねられます。
医療処置
- 血糖測定・インスリン注射。
- 胃瘻の管理。
- 尿カテーテルやストマの管理。
- 褥瘡や創処置。
デイサービスで行う医療処置として、上記の内容は看護師が実施するので看護技術の研修に参加したり知識を再確認することが望ましいです。
介護士のサポート
- レクリエーションの補助。
- 機能訓練やリハビリの補助。
- 食事・入浴・排泄介助。
- 利用者さんの送迎。
デイサービスでは、排泄や入浴介助など看護師が積極的に介入するところもありますが、施設によっては看護と介護業務がしっかり分かれているところもあります。
デイサービスに向いている看護師の特徴
コミュニケーション能力
デイサービスの利用者さんは、他社とのコミュニケーションやレクリエーションを楽しみに来ている方が多いので、看護師も同じように高いコミュニケーション能力を持ち合わせている方が向いているといえます。
体力に自信のある人
施設によっては、看護師が介護業務に携わることが多い場合があるので体力を求められることがあります。また、レクレーションの補助に入ることもあるので一緒にゲームをしたり体操をしたりと体を動かす機会が多いです。
そのため看護師も利用者さんと一緒にレクリエーションを共有できる方が望ましいといえます。
観察力に優れている人
デイサービスでは、医師の常駐が定められていないため、看護師の観察力が求められます。
利用者さんの体調不良の際は、医療機関への受診の判断や対応を求められます。
デイサービスで働く看護師の1日のスケジュール(例)
| 【8:30】 | ミーティング 当日のスケジュールや連絡事項を確認します。 |
| 【9:00】 | 利用者さん来訪 バイタル測定、健康状態の確認、入浴可否の判断も看護師が行います。 |
| 【10:00】 | 入浴介助・入浴後の処置 軟膏塗布や褥瘡処置。 |
| 【11:30】 | 昼食前の準備 口腔体操、血糖測定、インスリン注射など。 |
| 【12:00】 | 昼食配膳・食事介助 配薬、食事介助。 |
| 【13:00】 | 交代で休憩 |
| 【14:00】 | レクリエーションのサポート 利用者さんと一緒にレクリエーションを共有します。 |
| 【15:00】 | オヤツの提供 |
| 【16:00】 | お見送り 利用者さんを順番に送り出す。 |
| 【17:00】 | 終業 片付けや翌日の準備をして終業。 |
デイサービスで働く看護師のお給料
《デイサービス看護師のお給料》
相場
平均年収 ⇒300～350万円
パートの時給 ⇒1,100～1,800円
※夜勤や残業がつかないため給料は低い傾向にあります。
ブランクのある看護師がデイサービスで働くメリット・デメリット
メリット
- 日勤業務のため規則的に働くことができる。
- 残業も少なくワークライフバランスが保てる。
- 医療行為が少なく、オンコールもないため精神的なストレスが少ない。
- 1日の業務の流れが決まっているため、安定した働き方ができる。
- 会話やレクリエーションを楽しみに来ている方が多いため、利用者さんとのコミュニケーションがとりやすい。
- 医療行為が少なく、利用者さんの容態が急変することが少ないため緊急性を要しない。
ブランクから復職する際、看護スキルに対しての不安は大きいと思います。
しかし、デイサービスにおいてはバイタル測定や介護を中心に行っていきますので医療行為に自信のない方にとっては働きやすい職場といえます。
デメリット
- 生活の援助が中心になるため、介護業務が多く体力を要する。
- 医療技術が身に付きにくいため、スキルアップを目指したい方には不向き。
- 夜勤がなく、残業も少ないため給料が低い。
- 小規模な施設が多く、雇用の安定性に欠ける。
- デイサービスを含む介護施設のニーズは高く、競合性も高いため資金繰りに弱い施設は淘汰されることがある。
小規模なデイサービスでは廃業や倒産の可能性もあるため求人の際は注意する必要があります。
デイサービスの求人で確認しておきたい3つのポイント
①看護師の配置人数
デイサービスでは看護師を1人しか配置しない所も多いですが、施設によっては2人配置の所もあります。働くうえで疑問を感じた場合、同僚看護師に相談できない環境はとても不安になります。
ブランクのある看護師にとって、看護師の配置人数も確認しておきたい重要なポイントです。
②医療処置の内容
デイサービスでは、医療処置は少ないものの最低限の看護スキルを求められることがあります。
経管栄養・血糖測定・インスリン注射・吸引・ストマ交換など…
施設によっては、医療行為をほとんど必要としない所もあるので自分のスキルに合った職場を選択しましょう。
③デイサービスの種類
デイサービスにも時代のニーズに合わせて様々な特徴をもった施設が増えています。
宿泊を提供している施設やリハビリや認知症専門の特化型、また趣味を併せ持ったカジノやゲーム、料理やゴルフ特化型など…看護師の役割は施設によっても異なります。
まとめ
看護師がブランクからの復職場所としてデイサービスは働きやすい環境のひとつになります。
その理由としてデイサービスでの看護業務は、病院やクリニックとは異なり利用者さんの健康管理、日常生活のサポートがメインとなり、高度な医療スキルは求められないからです。
どんなにブランクが長くてもあなたの持っている看護師免許は貴重です。ぜひこの資格を生かして再び看護師として活躍されることを祈っています。